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☆アイスランド紀行その1・トロールの里でのオーロラ・ハンティング♪(2013.02.15)
トロール vs キョロール……!?
アイスランドは、そのほぼ全域がオーロラベルトに入っていることで知られています。条件が揃えば、レイキャビークの街中でも観られることあるそうです。
ただし今回の滞在期間中は全般的に、レイキャビック近辺は小雨まじりの曇天でした。そこで街中を諦め、山中の絶景エリアを求めてオーロラ・ハンティングをするツアーに参加することにしました。
北で見られるオーロラは“Nothern Lights” というそうです(南半球はSouthern Lights)。
例え晴天であってもオーロラのアクティヴィティが低いと見られないことが少なくないそうなので、天気とオーロラ予想のあとは運任せ。この日のガイドさんは20代前半くらいの若いお嬢さんで、おしゃべり上手なコメディエンヌ。巻舌なまりでオーロラに捧げる詩など織り交ぜながら、楽しく解説をしてくれます。
「窓際のみなさん! 緑の筋のようなものみえたら、すぐに教えてください。室内の灯りを消して走りますからね」
高まる期待。……ですが、結局バスに乗っている間は姿を見せてはくれませんでした。
「みなさん! オーロラのアクティヴィティが高くなるのは22時くらいからですから、今ここで見えなくともゼンゼン大丈夫ですよ」
そして点在するレイキャビーク周辺の有数オーロラ・スポットの中で、今回私達が連れていかれたのは、レイキャビークから長いトンネルを抜け1時間あまり。トロールの里『Gonguleidir』という村でした。
バスから降りて、皆が思い思いの場所で出現を待ちます。
地熱&海流の関係で思いのほか暖かなアイスランドですが、真夜中のふきっさらしの野っ原はさすがにサッムイです。闇夜の中に水音がするので近づいてみると、川の流れに小さな滝がありました。
こっ……こりは街中を離れて正解! しかも降るような満天の星空に“流れ星”のおまけつきです。
ここにある山小屋でコーヒーや軽食を提供しているオヤジさんが、まさにトロールっぽい顔つき体型でほんとびっくり。いいえ、きっと本物のトロールだったのかもしれません。
……まだオーロラは見えません。
☆
そして期待の中、厳寒の中、待つこと1時間近く。
「皆様、あちらをご覧ください。いよいよNothern Lightsのショーがはじまりますよ!」
いきなりコメディエンヌの声が響いて、周囲は歓声の渦! けれど、彼女の指し示す方向を見ても、私の目にはなんとなく薄青の白い雲の筋ようなものしか写りません。うぬぬ……こりはちょっとばかしショボいかも……?
「肉眼より先に、カメラがまずその姿をとらえます」とはコメディエンヌの弁。
まもなく動きが少し活発になって、肉眼でもはっきりわかるようになりました。一瞬一瞬、姿を変えていきます。
これはキレイ !!
想像してしていたのと較べたら、ちょっとおとなしめ、控えめのオーロラ。けれど遙か彼方で天空のカーテンが揺れ、光の柱が天を支えます。
それから半時間程眺め、トロールの経営する!?山小屋に暖をとりに入ったあと、ほどなくして帰る時間になりました。
そしてバスに私達ツアー客が乗り込んでの帰り道。1分ほど走ったところでバスが急にズズッと左へ傾き、身動き取れなくなっちゃいました。なんとバスが脱輪して、ぬかるみの草むらに座礁しちゃたのです。ありゃまぁ……。
“トロールの里”だけあって、イタズラトロールにやられのかも。
「みっみなさん !! 大丈夫ですからパニックにならないで。左の席の人から順番に降りていってくださいね!」
パニックになりそうな気持ちを抑えた健気な声で誘導するコメディエンヌ。バランスをとりつつ降車し、寒い中、とぼとぼと先ほどの山小屋へ戻って代車を待ちます。すでに真夜中の12時過ぎ。
それでもがんばるコメディエンヌ。待ち時間の間に、舞台の上でアイスランドのお酒の解説などをして皆の緊張を解こうと奮闘してます。
ときには全くオーロラが出てこない夜もあるでしょうから、そんな時に“お葬式”のような帰り道をなんとかやり過ごさなくてはいけません。このオーロラ・ツアーのガイドさんは、きっと旅行会社トップ・オブ芸人で構成されているに違いありません。
さて、無事に代車がやってきて、いよいよトロールの里を去ることになりました。そしてバスの中から何気なく空を見上げて……びっくり!
先ほどのちょっとシャイだった優美なオーロラが、ダイナミックな勇姿に変身していました。太く長い光の筋が生きているようにうねり、まるで龍神か蛇神のよう。天空が長い長い光の帯で、ふたつに分かれていたのです。
動いてるバスの中からなので写真を撮るのは断念し、目も心も奪われたまま、ただただ天空のショーに感動するのみでした。あの優雅さと力強さを感じさせる圧倒的な存在感は忘れられません。
イタヅラトロールくん、ありがとう! ……人生なにが幸いするかわかりませんね。
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