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眠りが紡ぐ美しさと哲学 〜睡眠美容の新たな世界へ〜


先日、美容内科学会の記念すべき第1回総会で「睡眠美容」について講演する機会をいただきました。しかし当日は体調が少々不調でして…(はい、自分が睡眠不足だったというオチです 😅)。話し足りない思いが残ってしまいましたので、この場を借りてその続きをお伝えさせていただきます。

実は講演で、少し大胆な視点を共有しました。それは、「私たちの生命のデフォルトは、本当は“眠り”ではないか」というパラダイムシフトです。

「どういうこと?」と思われた方、ぜひ最後までお付き合いください。





眠りが生む“リバースエイジング”

まず、睡眠が美と健康の基盤であることは言うまでもありません。しかし、なぜ睡眠がそれほどまでに重要なのでしょうか?

鍵は、睡眠が身体を「消耗」ではなく「回復」(レジリエンス)させる唯一のプロセスである点にあります。運動や栄養ももちろん健康に良いのですが、それらはどうしてもエネルギーを消耗し、細胞を酷使します。まるで、頑張りすぎてヘトヘトになったスマホのバッテリーのように。一方、睡眠はその全てをリセットし、回復させる魔法の時間です。これが、美容や健康、さらには長寿(ロンジェビティ)の鍵を握る理由なのです。



ノンレム、レム、覚醒の秘密

ここで一つ質問です。眠ることと目覚めること、どちらが“生命の本質”だと思いますか?

答えは…実は「眠り」かもしれません。オックスフォード大学の研究では、脳の活動はむしろ睡眠中の方が高度だという説が浮上しています。覚醒状態は、生命にとっての情報収集時間。言ってみれば、起動中のアプリのような追加機能。もしメインシステムが「眠り」だと言われたら、驚きですよね?

具体的に考えてみましょう:

  • 覚醒時:一見すると情報が行き交い、シナプスがフル稼働しているように見えますが、実際にはストレス満載の脳内会議が開かれ、情報が断片化されがち。デスクの上が書類で山積みになっている状態です。
  • ノンレム睡眠:脳内のシナプスがリセットされ、昼間の情報が整理・統合されます。散らかったデスクが夜中に小さなおじさんによって片付けられているようなものですね(小さなおじさん、ありがとう!)。
  • レム睡眠:整理された情報がさらに精査され、記憶や感情として定着します。これが脳を進化させ、新しいスキルを学ぶ力を養います。まるで、最新のOSにアップデートされるスマホのように。

流行りのAIで例えるならば、
  • 覚醒時:エラーが溜まるフェーズ
  • ノンレム睡眠:初期化
  • レム睡眠:アルゴリズムが更新
つまり、知性や創造性を高めるためには、睡眠こそが主要な舞台だと言えるのです。





睡眠美容の未来 〜データと哲学が交差する時代へ〜

睡眠美容を実践する際、現代のテクノロジーが力を発揮します。例えば、ウェアラブルデバイスを使って睡眠データを解析し、個々の体質やライフスタイルに合わせたアプローチを提供できます。この「個別睡眠ハッキング」により、美容と健康の最適化が科学的に実現できるのです。

でも、それだけじゃありません。睡眠は私たちの心や魂を育む時間でもあります。夢を見るとき、私たちは時空を超えた未知の世界に触れているのかもしれません。映画や小説のような奇想天外で情緒豊かな物語が、毎晩、脳内で紡がれていると想像するだけで、眠る楽しみが倍増しませんか?





エピローグ 〜次の眠りへの誘い〜

わたくし自身、最近では「眠り」を人生のアップデートの時間として楽しんでいます。朝、ウェアラブルデバイスで睡眠スコアを確認しながら「昨夜は何点だったかな?」と自分に挑戦。これがまるで健康を育むゲームのようで、ついつい夢中になってしまいます。ちなみに、わたくしの平均スコアは80点くらいで、なかなかの好成績ですよ。ビル・ゲイツ氏も睡眠スコアを友人たちと競い合っているとか。ショートスリーパー自慢は過去の負の遺産。今は「大物こそ、眠る」が正解です。

さて、今夜あなたが目を閉じる瞬間をどう過ごしますか?次の眠りを、「自分をリセットして新たな自分に出会う冒険」として捉えてみませんか?その一歩が、あなたの人生をもっと輝かせるはずです。

眠りの中で、新しい自分と出会う旅へ。では、素敵な夢を。 🌛



追伸

もし次回、小さなおじさんが脳内デスクを片付けてくれなかったら…それはきっと、あなたが十分な睡眠を取らなかったからかもしれませんよ!おやすみなさい。