私が惹かれるのは、なぜか死の匂いのするものばかり。
お昼のミサは巡礼者でいっぱいになる。
天界の歌声に癒される。
大聖堂に接するキンターナ広場。
ここはかつて埋葬地であった。要するに巨大な
『死者の空間』である。
今は静謐な空気が頬をなでるのみ。
“死の海岸”沿いのひなびた漁港の教会。
ここのキリストの像の髪の毛は本物なのか、凄みがある。
“それ”が何に使われるのか、正解を聞くまで、
勝手にいろいろと想像した。
教会の近くにもよくある、十字架つきなもの…
闇は余計な情報をシャットアウトしてくれる。
心を澄ませて自分の躯も同じ空間に溶け込ませてみる。