Dr.MANAの南仏通信〜フランスのエスプリをご一緒に…〜
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☆パリ今昔物語(2012.1.16)



以前、1960年代に欧州に渡り、その時代のパリを見たことがあるという
女流文学者の方のお話を聞いたことがあります。

「その当時のパリと今と、随分変わったんでしょうねぇ」
「あら。そうでもないのよ。
東洋人と自動車がちょっと増えたくらいかしら……」

( ̄○ ̄;)

へっ? と思った貴方。私も聞いた当初はそう思いました。

では、実際に検証していきましょう。
古いパリの写真は以下の本から抜粋しました。


『Paris THEN AND NOW』
Peter&Oriel Caine/THUNDER BAY PRESS
San Diego, California


『Retour a Paris』
Daniel Quesney/PARIGRAMME

パリの変わらなさ加減はある種感動的です。


(from『Retour a Paris』)

こちらが約100年前。
パンテオンを右に見て、ジュヌヴィエーヴ教会を望むシーン。
右奥に見える塔は、超有名エリート・リセ(高校)である
アンリ4世校の鐘です。



2012年1月同場所にて。
さて、なぞなぞです。“建築物の7つの違いを探せ!” (?_?)


(from『Retour a Paris』)

こちらが約100年前。
ノートルダム大聖堂前の広場。



2012年1月同場所にて。
おんなじ。おんなじ。(・◇・)


(from『Paris THEN AND NOW』)

こちらが約100年前。
カルチェラタンのメイトル・アルベール通り。
この辺り、中世の頃はスラム街だったそうです。



2012年1月同場所にて。
今ではお洒落なアトリエが立ち並ぶ、
清潔でスノッビィな街並に生まれ変わりました。


(from『Paris THEN AND NOW』)

こちらが約100年前。
先ほどのメイトル・アルベール通りの隣りの、ビエーブル通り。
昔は何度もセーヌが氾濫したそうです。



2012年1月同場所にて。
故ミッテラン大統領夫人がこの地を愛し、
エリゼ宮を好まずこの通りで暮ら続けたことは有名。


(from『Retour a Paris』)

こちらが約100年前。セーヌから望むノートルダム大聖堂。



2012年1月同場所にて。シテ島にでっぱりができましたね。


(from『Paris THEN AND NOW』)

こちらが約100年前。
フレデリック・ソトン通り。その昔は“ねずみ通り”
と呼ばれていた時期もあるそうです。



2012年1月同場所にて。
多くの学生が行き来します。
今でも文教地区であることは変わりません。


(from『Retour a Paris』)

こちらが約100年前。
モベール広場。



2012年1月同場所にて。
銅像はどこぞう? ……にいった以外は
驚くほど変わっていません。


(from『Paris THEN AND NOW』)

第2次世界大戦中。
ドイツ占領下でのコンコルド広場。
今回一番衝撃的で印象的だったショットです。
幸運な事に“パリは燃える”ことはありませんでした。



2012年1月同場所にて。
なんと幸せなことでしょう。
もう空から砲弾が飛んでくる時代ではないのです。
今は豪華ホテルや高級ブティックがたちパリは萌えております。



ちなみに今回御紹介したの2冊の本ですが、
パリ市内のツーリストが好むエリアにある本屋さんには
比較的置いてあることが多いようです。
また、日本でも洋書の専門店で注文することで
手に入れることができるかも知れませんね。

驚くほど変わっていないパリの街の姿が、
どちらの本にもまだまだたくさん掲載されています。

パリ市内に点在している観光地をガイドブックに沿って歩くのも
もちろん悪くないとは思いますけれど、
2度目、3度目のパリ訪問のときには
こうしたちょっとマニアックな本を手にしながら街を巡る
というのも素晴らしい体験になると思います。

きっと他の人が見たことのない、
それこそ“貴方だけの”のパリの姿に出逢うことができるかも。
(^0^)V