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暗闇レストラン☆dans le noir(2009.5.26)
喧噪とした学生街シャトレーの近く、セバストポール大通りに並行している石畳の小路地に、パリで今話題の「暗闇レストラン」がありますの。
ご一緒に不思議体験してみませんか?
暗闇のレストラン? この言葉の響きから、いかがわしい考えがふと頭をよぎったであろう諸君。ここの闇の程度はちょっかいだせるのに丁度いい薄暗さ、なんていう生やさしものではないのです。都会ではありない実に完璧なる真っ暗闇。実に視力全面カット体験のできる特殊空間でもあるのでした。
そんな事もあって、このレストランには頼もしい全盲の道先案内人がいます。私の今回の担当案内人はイヴリーヌ。
一歩踏み出せばそこは未知の世界。地底世界に通じる裂け目が口をあけているかもしれません。私としたことが、本当に情けなくよれよれついて行くことしかできませんでした。
スターター
黙っていると、漆黒の闇の中に自分が埋没して二度と普段の世界に戻れなくなるような、そんな錯覚に陥るからか、必要以上に大きな声でおしゃべりしてました。周りもそんな感じで。妙にざわざわしてます。
それにしても光りない世界はなんと深遠でいて閉鎖感がある事か......
自分の存在を、目で確かめることができないとはなんと不安なことか。
未体験ゾーンに身を委ねつつ、頭の中の新しい引き出しが開くこと請け合いですわ。
メインディッシュ
スプーンやフォークをなくしつつ、なんとかこなしていきました。
この異次元空間、、、最初のヴィジットとしてはそろそろ限界です。
また鮮やかな色彩の世界に、奥行きのある3Dの世界に帰りたい。普段は当たり前だったと思っていた光りの世界に戻りたくて思わず、イヴリーヌの名を呼びます。
デザート
最後に肝心のお料理です。
全般に結構おいしかったのですが、いったい何を食べているのか、すべてはわかりませんでした。(というか、全部食べたのかどうかさえも!!)
8割強といわれる視覚情報をシャットアウトされる事で味覚と嗅覚が研ぎ澄まされよりよく味わえるのかしらと思いきや、ものによっては素材すらわからなかったというのが現実です。
とにかく非日常異次元体験ができる暗闇レストラン。
パリにいらっしゃるのなら、一度はお試しくださいませ。
光のない世界は日常の価値観や常識がすべて意味をなさないものになります。
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