Les Thermalies 2009 ── テルマール(温泉)とタラソテラピー(海洋療法)の展示会レポート(2009.4.22)
今年の1月末、ルーブルのカルーセルで、今年で27回目を迎える温泉(以下テルマール)と海洋療法(以下タラソテラピー)の Expo があったので行ってまいりました。開催は3日間、計300のブースに各種カンファレンス、総勢34000人の来訪者でにぎわいました。
テルマールは、フランス厚生省で効能が認められた治療&保養地であり、都会的で美容イメージの強い“SPA”では決してありません(SPAの展示もしてましたが)。要するに“湯治場”です。
来訪者は年金生活者レベルの年齢層がほとんど、というのを見ても明らかです。
ベルエポックの頃にはブルジョワジー達の社交場でしたが、今ではすっかり庶民のもの。。。
リウマチ系、神経、代謝、皮膚、婦人科、呼吸器系など、それぞれの疾患によって温泉地の選定がなされます。そしてこれらの治療には、なんと“保険”がききます。平均18日間の滞在。恵まれた環境ですよね〜〜〜。
温泉地にはそれぞれの温泉治療専門医が常勤しており、治療の前には診察をうけ、治療法の選定をすることからはじまります。
入浴より一般的なのが、、、飲水療法。
日本の温泉をイメージすると裏切られます。なにしろ水温が低すぎますし。。。
他にジェット噴霧療法、水中運動、水パックなど多様な手技があり、対象疾患や施設によって特異性がでてきます。
タラソテラピーも同様に、伝統的にあくまで予防医学の一環として認知されております。ただし、海はすべてつながっているため、地域特異性はテルマールのように強くはありません。大西洋は活性化、地中海は鎮静化、といった傾向はございますけれども。。。
とはいえ、海水の物理生物学的な特性と海洋気候のダイナミズムで、やはり人気です。海水浴、海藻風呂、と海泥好きにはこちらです。もちろん、飲水療法はありません。。。( ̄* ̄ )
こちらの国際部門では、温暖で近距離お手頃値段、チュニジアのタラソテラピーの PR が目につきました。
ちなみにタラソテラピーは、実際にはフランス国内で約70箇所、年間約32万人(2006年)の利用者数です。
対して、テルマールは国内約100箇所、年間約50万人(2006年)となっております。
会場に続くルーブルの地下道は、
いにしえの城壁跡が続くお気に入りのスペース。
エントランス。んーーー。
なんだか年齢層が高そうだぞ (・_・)
全国的にリゾートチェーン展開をしているテルマール施設もあります。
自然志向の強い方が多いためか、
“グリーン”を意識しているブースが目立ちました。