このたび、考案?年、制作1年をついやしたDr.MANAプロデュースの初めてのオリジナルコスメが、2006年秋、美容本2作目と共に発売されました。従来からドクター制作のコスメには渋い顔をしていた私なのに、いったいどうして気が変わったのでしょうか。それは、視覚アートと同じ(?)“百聞は一見にしかず理論”を実践したくなったからです。言葉をどう紡いで説得を試みても理解されにくかったことが、実際に作品をビジュアルで見て手で触れて肌で感じてもらえば、何をいわんとしているか即座に納得してもらえるかもしれない、と考えたからです。
今まで皮膚科臨床時代を含め、いろいろな美容相談を受けて参りましたが、そうした無数の症例に接したことで、スキンケアのひとつの真実というものにたどり着いたように思います。
それは、美肌の人は日常でのシンプルケア実践者に多く見られるということ。逆に情報に振り回されて、普段あれこれ肌をいじくりまわしている人(俗にいう、コスメフリークさん)の方が、おうおうにして肌あれをおこしているケースが多いのです。
さて、皆さま。健康で美しい肌というのは、どういう肌のことをいうのでしょうか?限りなく白く、シミ・シワひとつなく、毛穴がまったく目立たない陶器のような肌?コーカサス人種の10代後半であれば、おそらくそういう肌の人もいるかもしれませんね。けれど、あなたが日本人で、それ相応の人生を生きてきているのでしたら、それはあり得ないといえるものです。それ依然に、シミひとつないツルツルてかてかの肌、なんの経験も刻まれていない肌、私はそんなノッペラボーのような肌を、無条件に美しいとは思いません。
健康な肌というのは、臓器としての皮膚の正しいバリア機能が働いていて、最外層の角質に適度な水分があり、潤っている肌のこと、そして真皮の末梢の血行が滞りなく流れている肌のことです。色が黒くても、水分のおかげで透明感があって、つやつやしてる肌は美しいものです。それに多少、シミ・シワがあったって、それがそのまま不健康ということにはなりません。あなたという人が持っている、数多くの個性のうちのひとつなのです。気に病むことではありません。どうですか? そう考えるとすっきりしませんか?
角質層の保湿に関してはmust。日常的なスキンケアの王道です。 それに加えて、私は考えました。血行に関しては、新陳代謝に関わってくるわけだし、それを改善することで、あらゆる肌トラブルの改善に役立つのではないだろうか。条件が揃えば、肌はみずから健康で美しくなろうとする、人間がもともと持っている力をフルに発揮できるはず。
私たちの細胞は、食べモノが消化され、形を変え、身体の中から生まれ出てくるもの、という真実を無視してはいけません。各種成分を外から最新テクノロジーでむりやり(?)浸透させていくスキンケアも、有効でないとはいいませんが、それらは普段の皮膚の細胞が健康であってこそ。
私の美肌本第2作目も、こうした“素肌の健康”に関して多くのページを割いています。なぜなら、それが女性を(というよりも人間を)美しくするための最も大切なファクターであり、必要条件とすらいえるものであるからです。
実際にレーザーやピーリングなどの美容皮膚的アグレッシブな治療をすると、そのあとのダウンタイムに雲泥の差がでます。不健康であると、結果的に色素沈着や炎症などのトラブルも起こしやすい、、、そうしたラジカルな治療(ちなみにプロの監督下で行われるプチ整形の類は否定しません)のためにも、また、たまの外食=エステのご馳走でより大きな満足感を得るためにも、普段は極力シンプルなケアがよいはず。
現時点でのDr.MANA流ベストスキンケアの結論
1,もともとの皮膚が健康になろうとする力を信じて、それをサポートする役に徹すること。 美肌ホメオスタシス(恒常性)の第一条件、角質層の保湿。
2,セルフスキンシップともいえる、手を有効に使って血行改善をはかること。 マッサージをする、またはテクスチャーを重厚にすることで、肌の上にアイテムをのばすだけでマッサージに匹敵する効果を得る。
3,五感に働きかけ、人間が植物に癒されてきた長い歴史を喚起させるような成分にこだわること。フィトテラピー(植物療法)やアロマテラピーの力を借りること。 魅惑的な香りの実現。植物成分へのこだわり。
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