Dr.MANAの南仏通信〜フランスのエスプリをご一緒に…〜
お知らせ プロフィール パリ・お散歩・パトロール エッセイ リンク
プロダクト はだぢから開発室・分室 旅猫一代女 ナニコレ写真館
エッセイ バックナンバー

☆我流・期間限定ソフトマクロビの勧め♪(2008.09.26)


デトックスしたくなったらすかさずオーガニックストアへ。
マクロビオティック(Macrobiotic)とは、日本起源の東洋思想をベースとした食による長寿法を意味します。玄米菜食を基本とし、肉を食べない、砂糖を使用しない、化学調味料は使わない、などの基本原則他、流派によって若干違いがあるようです。マドンナやトム・クルーズなどのハリウッドセレブの健康法ということで近頃また脚光を浴びつつあるようですね。

以前、このマクロビオティック実践におけるリスクファクターについて考えたことがあります。たいがいの食餌療法を実践すると、多かれ少なかれ、ある種のストレスが生まれがちです。栄養不足から疲労気味になったり、お肌がかさかさになったり、顔色が悪くなってしまったり……。また厳格なベジタリアンの方なら、肉食であれば比較的楽に摂取できるビタミンB12(不足すると貧血気味に)や、トリプトファン(不足するとセロトニン生成不足で鬱状態に)などいくつかの必須アミノ酸が不足になりがちだったり……。つまり健康への極端な執着が、逆に不健康へと向かわせてしまうこともあるのです。まして病気の場合には体質改善のみですべてが治るわけではないので、狂信するのは危険です。
マクロビオティックを厳密におこなう場合に私が気になることは、『〜はいけない』『〜はよくない』といった否定思考や禁止事項が多いところです。こうなると、食べ物を見てまずは否定するところから始まってしまいます。どんなにいい匂いを発しても、どんなに美味しそうな色であっても、実際に美味しくても、それを素直に喜ぶことができずに、いろいろチェックしないと気がすまなくなります。さらに外食は添加物が気になって心から楽しめない、熱心なあまりに人様の食生活についケチをつけてしまうなど、お付き合いにも影響することだってあるかもしれません。こんな風に、精神的にはかなりのストレスが発生します。


目にもおいしい♪

もちろん飽食にともなう肥満の方や、食べ過ぎでの消化不良や体調不調などを感じていらっしゃる方には、マクロビオティックは効果的ではあるでしょう。それにオーガニック農作物が基本ですから残留農薬や化学添加物のリスクが非常に低く抑えられ、全般に小食低カロリーになりますので、必要なダイエットであれば効果もひときわでしょう。否定する気は全くありません。
でも、ストイックに実践することだけは、どうしてもオススメできないのです。それがマクロビオティックであれアロマ療法であれ何であれ、あまりにもシリアスに取り組んでいる人を見て素直に「健康的な人だな」と感じたことがないからです。たぶん俗世に肉体をおいている限界かもしれません。精進料理を食しつつ、一段上の精神世界に暮らす高僧などはまた次元が違います。
人にとって肉体は大切ですが、それを司る精神の方がもっと大切だったりもします。心が晴れやかな女性が美しく魅力的に見えるように、心が晴れやかな人は健康的に見えるものです。実際、医者のいいつけを厳格に守ってストイックに生きた人より、ある適度の節度を持ってお酒も食事も好きなようにしていた人の方が長生きする傾向にあった、という統計もある程なのです。


\(o⌒∇⌒o)/どんな気分で頂くかも重要☆

私はたまに玄米食、時にベジタリアン、外食も少なくないけれど、気が向いたらオーガニック食品(だって毎回はお財布に響きますから)。いうなればソフトにマクロビオティックを実践しているかたちです。だって、せっかく美食の国に暮らしているのですから、時には美味しいモノを心ゆくまで食べたいし、砂糖たんまりの甘いモノだって心ゆくまで楽しみたいじゃないですか。そのときの幸せな気持ちを大切にして、ニコニコしながら暮らしたいと思うのです。食べ過ぎたと思ったら、次を減らす。お肉を続けて食べちゃったらその後1週間はベジタリアン、といった具合にバランスを意識しながら、数日単位で帳尻を合わせればよしとする。自分のライフスタイルに合わせて楽しむくらいのつもりで穏やかに実践していくのがいいのではないか、プチ食いしん坊の私は考えているのでした。