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フレンチ・ドクターの巻(2008.02.15)
西洋医学のみにあらず、アロマやフィトテラピーなどに
造詣が深いドクターが多いのも特徴かも。
冬のぴんと張った透明な空気も大好きな Dr.MANA です。それに、冬来たりなば、春遠からじ。来るべき新生の季節のために、底力をためる時でもあります。
さて2006年春、とあるバラエティTV番組で Dr.MANA が取り上げられたことがありました。http://www.ntv.co.jp/a-sama/hp-new/oa/20060309-1.htmlたまたま御覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。番組の中でフランス人の仲間たちと会議をする場面があるのですが、私が白衣を着て、時間に遅れて「ボンジュール!」なんか言いながら登場するのです。実は皆「ありえなぁ〜〜い」と大笑い。でも制作スタッフの皆さんは「医者はやっぱり白衣着てなくちゃ」とこだわるんです。日本人には「お医者さま」は白衣を着ているもの、というイメージが埋め込まれてしまっているわけですね。
ところがフランスのお医者さんには、いつも白衣を着るという日本の常識が通用しません。フランスの場合、風邪や下痢などの症状の場合にはまずジェネラリストと呼ばれる個人開業医へ行きます。開業医といっても、日本のように大きな看板を掲げ、看護師さんが何人かいて、いろいろな検査もしてくれて、必要があれば注射もしてくれて、入院病棟もあるなんてことはありません。
診察室の医師は男ならシャツやセーター、女性も普段着かちょっとよそ行き程度のいでたちで、予約取り専用の秘書の他は看護師さんもまずいません。ふつうのアパルトマンの入り口に
『Cabinet de Dr. KAPPA』 などと記された小さな案内があるだけなのです。大きな事務机の前に座った医師が、いろいろ質問した内容を直接パソコンに打ち込んでいきます。これがいわゆるカルテ。つまりジェネラリストの役割には、聴診・打診以上に患者さんとの対話による問診に重点があるのです。ほとんど予約制ですので、散々待たされた挙句ほんの数分の診察といったようなことはまずありませんね。
ジェネラリストは診察室で聴診器をあて、打診をし、脈を取り、血圧を測るくらいはしてくれますが、それ以上の治療をすることはあまりありません。もちろん薬もくれず、処方箋を出してくれるだけです。患者さんはこれをもって薬局に行って、薬を買います。血液検査が必要なら、処方箋を持って血液検査やレントゲン検査など各種検査を行うラボラトリーに、予約をとって行くのです。結果が判明したらそれをもってもう一度医師のところへ行き、必要があればさらに専門医のところに回されます。なんだか日本より不便そうでしょ?
注射をしない代わりというわけでもないでしょうが、フランス人の薬品消費量は世界一だそうです。睡眠薬から精神安定剤に至るまでほとんど全てが保険でカバーされるので、医師も気楽に処方箋を書くのでしょう。だからフランスの医療保険の赤字は天文学的で、歴代政権の最大の課題であり続けています。
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