☆Dr.みしま氏の白昼夢 ―― 南仏の大学病院でのランチタイム☆(2007.03.15)
街が一望できる敷地の中で一番高い丘には、
いつものように心地のよい風が吹いている。
午後の外来がなくなったのを幸いに、
お昼のワインをちょっと飲み過ぎてしまったようだ。
ランチをオープンテラスでとりながら、Dr.みしま氏は遠い故郷を思った。
優雅なもんだ、まったく。
食べ過ぎたあとの儀式、マルボロに火をつける。
木漏れ陽といえども、強烈な紫外線を浴びているはず。
でも、強烈に乾燥しているから、まったく汗がでない。
やれやれ、汗腺まで退化したかもしれない。少し景気をつけにいくか。
食堂の横には、いかにも「私たち、目隠し役なの、覗いちゃいやぁよ♪」
という雰囲気に、かっちり囲いのような並び方をしている背の高い木々がある。
Dr.みしま氏は何気なく、木々の隙間に身体をすべりこませた。
中にはすでに何人かの先客がいた。
紫外線の害を啓蒙しつつ、自分たちはこれかぁー(苦笑)。
ま、タバコをやめられないのと同じようなもんだな。
玄関ホールでのチャリティコンサートの前に、ちょっと涼んでおこうか。
白衣を脱いで、近くの木の枝にひっかけた。
下半身はどこで準備してきたのか、スイミングウェアだ。
その前に、少し陽に焼けるのも悪くないな──。
デッキチェアにワインを持ち込んでいる同僚もいる。
目があった女医が、誘うように意味深に微笑む。
ここに勤めるようになってから、すっかり感覚が麻痺してしまった。
まったく、このハーブの香り、麻薬みたいなものかもしれん。
遠くで誰かが、週末の研修医とナースのストについての噂をしている。
小難しい論題について考えようとするまでもなく、
まどろみに飲み込まれていった。
Dr.みしま氏の大学病院のカフェスペースにあるものです。(^。^)
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